弟気遣う兄「地震だけだったらよかったのにな」
健気に振る舞う兄弟だが、震災については「津波がなければ、地震だけなら地割れだけですんだのに。なあ、地震だけだったら、よかったのに。地震がなければ、こんなことにならなかったのに」
兄が弟に言い聞かせるように言う。子どもたちを預かる校長先生は「一人ひとり抱えている問題が違う。表面に出ているものがすべてではない。ゆっくり、ゆっくり寄り添いながら接していくしかないと思っています」と話す。
県の担当者は「まず生活環境の安定だが、中期的には経済的な問題で進学をあきらめたりすることのないよう考えていかなければいけない」と言う。
昨日(2011年4月20日)、兄弟の通う小学校は40日ぶりに再開した。「うちの子、うちの孫と思って暮らしていきたい」と避難所の人たちは語る。
東日本大震災で両親が死亡、または行方不明となっている震災遺児は東北3県で113人、阪神・淡路大震災の68人を大きく上回る。2人は元気に登校した。これからどんな学校生活が待っているのか。どうか、元気でと祈るばかりだ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト