「安全」の基準と前提が大きく変わったフクシマの「前と後」

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   計画的避難の説明会が紛糾する様子が番組で取り上げられ、住民が叫んでいた。「昨日一昨日まで、ふとんを干していいと言ってた人がいるっつうのに、いまになって避難しろって。そんな話ないと思います!」

「放射能できるだけ避ける」だったはずが…

   テレビや福島では、年間10ミリシーベルトなんてへっちゃら、100ミリだってなんのそのとばかり、チェルノブイリだってセシウムでは明確な被害が見られない、タバコ・排ガスのほうが有害なんだといった「(いま出ている)放射能は安全だ」説が主流だ。

   ただ、原発や原子力を懸念してきた人たちに言わせれば、それは楽観的な見方で、国際的に全面的なコンセンサスを得た話ではないという。これ以下の放射線なら浴びても大丈夫というしきい値があるとの明確な保証はなく、人間が低線量を長期間浴びたケースについて十分な実験結果があるわけでもないそうなのだ。

   そうであるなら、放射線量は累積で考えておき、余計な放射線を浴びるのはできるだけ避けようと、より慎重、保守的になることに科学的な根拠がないとは言えないだろう。なにしろ、日本の食品輸入基準なども、そうした考えのもとに決められていたように見える。

文   ボンド柳生
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