「明るいうちに飲むお酒。これまたおいしいんですよ」
司会のみのもんたが嬉しそうに言う。なに、「サマータイム」の話だ。ニュースの単語を解説する「けさ単!」コーナーで取り上げた。
アメリカは犯罪減少、韓国「仕事増えた」
節電のために、夏の季節だけ時刻を進めて日照時間を有効に使おうとする制度。早寝早起きで消費電力を抑えようというものだ。
みの「僕なんか、年中、サマータイム。午前3時に起きているから」
午前5時半スタートの「朝ズバッ!」出演のため、そういう生活時間になっているようだ。
井上貴博アナによれば、サマータイムの歴史は古い。世界的にみると第一次世界大戦時に燃料節約のために始まった。現在も70か国以上で実施されている。アメリカでは明るい時間が増えて犯罪が減ったという。うまくいかなくて、やめた国もある。お隣の韓国。労働強化につながるという理由だった。ロシアでは生体リズムに反していると、今年から廃止することにしたそうだ。
日本でも終戦直後に4年間導入
日本でも1948年にGHQの命令で実施したことがある。日本人は勤勉で終業時間を過ぎても働き、残業が増えるなどの弊害が出て4年で廃止された。
やり方には時計の針を進めて国全体で一斉に行うのと、企業などが個々に取り組む個別型がある。今回の東電・福島原発の事故で電力不足が予想されるなか、すでに個別に取り組んでいる企業もある。森永乳業は9時始業~17時半終業を8時~16時半と1時間早めた。9月末まで実施する。東京証券取引所ユニ・チャームも導入を決めている。ソニーも検討中だ。
「スタートも早いが、終わるのも早い」とみの。
「そのあとどうするか、ですね」とコメンテーターの杉尾秀哉(TBS解説・専門記者室長)。尾崎弘之(東京工科大学教授)は「導入した方がいいじゃないですか。日本の場合、夏の電力消費が多いのはエアコンですから、涼しいうちに仕事をして早く帰ればいい」と賛成意見だ。これに対し、東大の坂村健教授は「電力需要は照明から空調にシフトしている。起きている時間が長くなれば増エネになる」といっている。
サマータイムを巡っては賛否それぞれの意見がある。全体での導入にはまだまだ論議が必要なようだ。