先日、知人の結婚式に行ってきた。震災後、初めて素直に「おめでとう!」と言えるひとときに、誰もが笑顔であった。結婚式という祝いの席を経て、このところ女性達の間で交わされている話をしてみたい。
ちらちらと飲み会が増えた震災2週間後ぐらいから、女性たちが口をそろえて言い始めたことがある。
「結婚したい」
それもとくに顕著なのが、震災前まで盛んに言われていた40代「大人女子」の独身者たちだ。ある程度社会的な地位を持ち、経済的にもゆとりがある独身女性たちが、震災の恐怖は一人で耐えられたが、この先も同じようなことがあったとき一人では心細すぎると変わってきた。それまで、職場で能力のない男たちを見ていると、「ほんと男って使えない!男なんていらないわ~」と豪語していた彼女たちが、「やっぱり結婚はしておくべきだわ」と恥ずかしがることなく口にする。
一人では心細すぎる
恐らく、震災後には出生率も上がるのではないかというのが女性達の予測。アメリカでは9・11ベイビーが増えたという事実もあり、同じ状況が東京でも起こるのではないかと睨んでいる。
そういえば、帰宅難民になった時も、帰り道にやたらとカップルが目に付いたのを覚えている。結婚したい!という気持ちに火がついてしまった人。同時に、やっぱり子孫を残したいと漠然ながら考える女性たちも増えたようだ。不可抗力の自然の脅威を前に、生物として反応するのだろうか。
周りに聞いてみると、地震発生前に強烈な地鳴りが聞こえた、風圧とも違う圧力を全身に感じ耳鳴りがしたというような、特殊な能力とも思える現象を体感したのは女性が多かった。そこまで超常でなくても、震災日に生理になったという話は数多くある。やはり、自然の影響を受けやすいのは女性なのだろうか。あまりにも安直な考え方だが、当たっているような気もしてしまう。