あの「笑わない」弁護士、北村晴男さんが久々に「本業」でニュースになった。日本相撲協会が八百長に関与したとして解雇処分にした十両星風(27)の「解雇不当」の弁護に立つ。
北村弁護士は星風の代理人。会見で「日本相撲協会を相手方として、地位保全の仮処分を申し立ていたします。大相撲が日本の国技と呼ばれるにふさわしい存在になってもらいたいと強く思っています」と語った。
星風は「(八百長は)やってない。絶対にホント。自分を信じてください」と毅然としている。同じ処分は、幕内の蒼国来(27)も受けているが、蒼国来も別に会見して、「やってないものはやってない。それだけは言った」と反論していて、やはり仮処分申請の意向という。
相撲協会の調査・処分は不当
一連の処分では、25人が引退届を出すか解雇かを迫られ、うち22人が引退届を出して退職金をもらっている。これまで、谷川親方(元小結海鵬)だけが退職勧告を拒否して解雇されている。今回の2人はこれに続くものだ。
引退届を出した中にも、「やっていない」「こちらのいうことを聞いてくれなかった」と不満をもらす力士はいたが、谷川親方以外は退職金と今後の生活を考えて涙をのんだとみられる。
蒼国来(荒汐部屋)は中国出身、星風(尾車部屋)はモンゴル出身で、日本人力士のように不名誉を受け入れるわけにはいかなかったのかもしれない。蒼国来は529万円、星風は220万円の退職金を拒否した。
放駒理事長は「解雇は撤回しない」と言っており、残された道は法的手段しかなかったということ。北村弁護士が挙げる理由は次のようなものだ。
①証拠の吟味を怠っている
②反証する機会を与えなかった
③第3者証言のみを採用
④クロと決めつけての調査
長嶋一茂(スポーツ解説者)が「メールとか証拠は出てるんですか」と聞く。小松靖アナは「八百長を認めた竹縄親方と千代白鵬のメールに2人の名前が出てくるのだが、星風のメールはチェックしていない。また、反証もさせていないというのが北村氏の主張」という。
司会の羽鳥慎一「これでは納得できないということなのでしょうね、一方的かなと」
青木理(ジャーナリスト)は「相撲協会はこれまで八百長はないといっていたのが、法廷闘争になると、皮肉なことに今度は八百長があったと証明する立場になる」
この事件、一般紙では大震災のあおりで社会面の片隅にちょこっとというのは寂しい。