震災前に作られた貴重な1本
社長は「まだ可能性にすぎないが、200年の味を受け継ぐことは、次の200年の足がかりになる。10年経ってホントにいい町になったといわれるような町にするのがわれわれの使命だ」と話す。
司会の羽鳥慎一「この状況で雇用を維持して、社員も社長についていく。だから光が見えてくるんでしょうね」
立花胡桃(作家)「あんな樽の底についていたものだけで…?」
玉井が「もろみの中の酵母のよし悪しで味が決まってしまうんです」と、にわか仕込みの知識を並べる。酵母菌を冷凍保存して、新しい蔵を建てた後、蔵に酵母菌を付着させるのだそうだ。もちろんそれだけではない。玉井が八木澤商店の醤油ビンを見せた。この中にも「もろみ」は生きている。
立花が「その醤油は買えないんですか」
玉井「これは震災前に作られた貴重な1本なのでお返ししないといけないんです」
みんな納得していたが、そういわれるとますますなめてみたくなる。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト