安全委元委員長代理「一番の危機は全体の指揮官いないこと」

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   東京電力の清水正孝社長が1か月ぶりに会見したが、「ベストを尽くして」「全力で」「一日も早く」といった言葉ばかりで、具体的な対策や見通しは全く語らなかった。役人じゃないかと思えるほどだ。

   テレビ朝日のディレクターで、モニバドのレギュラーコメンテーターでもある玉川徹が、枝野官房長官と保安院の会見で「曖昧ないい方が多すぎる」とかみついた。「最悪の事態とは何なのか」というわけだ。枝野は「一例だけあげれば、原子炉格納容器の水素爆発」と答えた。先に設定した「緊急時避難準備区域」も水素爆発のような事態を考えているとわかったわけだ。ところが、原子力安全・保安院の西山英彦審議官は、「そうならないように努力している」と言うばかりで、具体的な説明はない。玉川が枝野の答えをぶつけると、「水素爆発もそのひとつです」。まさにお役人だ。

機能していない専門家たち

   住田健二・阪大名誉教授(原子力安全委の元委員長代理)は、「水素爆発はひとつにすぎない。本当に怖いのは圧力容器の破損です。そうなったら一巻の終わり。何がなんでもそうならないように必死に冷やしてる」

   司会の羽鳥慎一「作業ってのは進んでるんですか」

   住田は「全体像が見えない」という。

「指揮官がだれなのか。社長でも首相でも専門家でもない。信頼する人が付いていないといけないのだが、私たちのように多少事情がわかっている人間にも、それが見えない」

   タレントの松尾貴史が「陣頭指揮というが、専門家でもないのに」と話すが、話は逆だろう。指揮官に専門知識はいらないが、そこには専門家が付いていないといけないという話だ。

   住田は気になることをいった。「原子力安全委員会は質問に答えるのが仕事」というのだが、問題になっているのは指揮官がためらったり決断できないときに、どれだけ積極的に提言するかなのだ。なのに、専門家が付いているようには見えないという。とすると、安全委とは何なのだ。

   松尾「官房長官の会見のわきに、いつもその人がいるとか」

   立花胡桃(作家)「事故を小さく見せようとしてとしているのかと思っちゃう」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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