「ドンドン出てくるじゃないですか。小出しにしているんじゃないでしょうね」
政府が福島県下の土壌などからストロンチウム89と90の検出を明らかにしたことに、司会の加藤浩次が噛みついた。
検出されたのは、福島第1原発から30キロ以上離れた福島県飯館村、浪江町の土壌(16~17日に採取)と同県本宮市、小野町、大玉村、西郷村の4か所から3月19日(2011年)に提供された葉物野菜(番組のナレーションは『植物』と言っていたのが気になる)。
土壌のサンプルからはストロンチウム90が最大で1kg当たり32ベクレルが検出されている。
体外排出まで18年。骨がん、白血病の心配
放射線防護学が専門の野口邦和(日大教授)によると、「ストロンチウムはカルシウムに似ていて、飲食物を通して体内に入ると消化器官から骨に移動して骨のがんになります。骨髄が骨の近くにあることから白血病になった例がありますね」という。
ストロンチウムの半減期は長く28・8年。体内入って排泄などで18年ぐらいに短縮するが、それでも18年間は体内で放射能を出し続ける。
野口教授は「32ベクレルの数値はそれほど高くはない。きちんと調べて、放射線量の高いところでは無用に食べないなどの注意が必要になってくる」と指摘している。
それにしてもサンプルを採取してからほぼ1か月後の発表。なんとも間が開きすぎる。放射能検査に詳しい杉山英男(帝京平成大教授)は、「ストロンチウムは技術的に煩雑なところがあり、結果が出るまで1か月はかかる」のだという。
しかし、キャスターのテリー伊藤は「1か月後に発表して、突然、骨のがんだと言われても…。地元の人たちは『ちょっと待ってくれ、昨日までは聞いていないよ』となる。事前にどんな調査をしているか言うべきだ」と、政府の対応に怒りをぶちまけた。
校庭から汚染土壌―安全委「開校はいかがか」
さらに、川俣町と浪江町の小学校土壌から高濃度の放射性ヨウ素とセシウムが検出されているのを受けて、加藤は「小学校校庭の土壌からも検出されているそうじゃないですか」
これに答えたのは日本テレビ解説委員の倉澤治雄。
「原子力安全委員会は『開校するのはお勧めできないようなところがいくつかある』と言っている。本来、開校すべきでないときちんと勧告の形で考えるのか正しい。 子供だから校庭で遊び、体内に吸い込む恐れがある。半端でない量なので、これは行政が対応すべきだ」
今や原子力安全委や東電の発表をまともに信じる人はあまりいないだろう。コメンテーターの本村健太郎(弁護士)も「今は大丈夫と言われても、あとで本当はダメでしたと言われるのではないか、すごく心配になる」と嘆いた。