震災による自粛ムードと福島原発事故の影響で閑古鳥が鳴きやまない観光地。観光庁によると、国内のホテル・旅館ではこの1か月間に56万人の宿泊予定がキャンセルになったという。
1週間前(2011年3月8日)に、箱根を中心に同じ話題で放送した続報(『スッキリ!』はこれが多い)だが、今回は深刻な打撃に見舞われている東京や北関東の名だたる観光スポットと有名温泉地の切実な実態を取材した。
「天皇崩御の時でもここまでは…」(日光市観光振興課)
まずは地震で先端が曲がったままの東京タワー。震災前の2月には約18万人が訪れた名所も、今月13日は駐車場に止まっている観光バスが3台だけ。展望台も人影はまばらだ。
「10人に1人は外国人観光客だったが、それもゼロに近い」(東京タワー企画部)
この傾向は、中国人買い物客を中心に、外人観光客で賑わう銀座や秋葉原も同じようだ。
屈指の観光スポット、日光東照宮でも自粛ムードで観光客が激減。この時期は10万人(去年)の観光客で賑わうのに、3月12日から31日までで95%減の約5000人という。
「昭和天皇崩御の時でもここまでは…」(日光市観光振興課)
毎年5月に行う家康ゆかりの「百物揃千人行列」は中止を検討中という。
名湯を誇る北関東の温泉郷はどうか。鬼怒川温泉の有名ホテルでは、117ある客室がこの日埋まったのは17室だけ。全体では5万5000人のキャンセルがあったという鬼怒川・川治温泉観光協会の会長は、「これでは、向こう(被災地)がダメならこっちもダメで、経済的に第二次災害になっちゃう」とぼやく。
経済的に二次災害
そんななかで、空っぽの客室を利用して原発事故の被災者を受け入れているのが草津温泉のホテルだ。費用を草津町が負担する形で福島県南相馬市の被災者245人を受け入れている。
VTRを見たスタジオのコメンテーターの反応はどうか。内科医のおおたわ史絵は「気分的には自粛の気持ちはわかるが、2~3年後にわれわれに振りかかってくる。内需拡大という意味で打って出ていかないと。怖がってばかりじゃ…」
今週初めに「義援金が少ないね。震災税の形で連続的に支援しないと」と話していたキャスターのテリー伊藤は、今度は「ガソリンが高いので、ガソリン税を下げるのも手だ。ドライブなどの客が増える」と、相変わらずの場当たり発言。
ゴールデンウイークの先には修学旅行シーズンが控えており、今その下見が始まっているという。共倒れを避けるいい手はないか。各自治体の観光振興課は知恵を絞っているようだ。