放射能により、出荷自粛(その後出荷規制)中のサンチュが広く出回った一件は、未曾有の広域、長期間の放射能汚染に対応できない検査・管理・規制システムの問題をあらためて思いしらせてくれた。少なくとも、筆者にはそう思われたが、番組コメンテイター陣からは、出荷業者やスーパーの対応を支持する「日本のスーパーは安全です!」的なご高見が相次いだ。
市の調査で基準値を下回った
「だって基準値に達してないわけでしょ。だったら農家の方は出したいですよね。出すほうがいいと思いますけどね」と福田和也・慶大教授。
「生産者やスーパーが検査してくれてるんだったら、政府の発表よりも安心ですけどね」と真鍋かをり。
ちなみに、このサンチュは、市の調査でサンチュが(一時?)基準値を下回ったことを根拠に出荷したとの報道はあるが、出荷された現物の放射能を、出荷業者や小売が独自に検査してくれたとの情報は、筆者は把握できていない。
司会の小倉智昭は「農家のために、仕入れて売ってあげましょうと。それが犯罪みたいに言われると、かわいそうだよね」と、スーパーに同情しきり。また、「サンチュって野菜にしてはいいお値段だから、(農家が)つくった以上は(売れないと困るだろうから)、できるだけ使ってあげたいという気持ちは消費者にはありますよ」と、消費者を代表して、農家支援のために食べたい気持ちを表明した。オグラが「消費者」と「自分」を分けてないとすれば、だが。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト