福島第1原発の事故は、旧ソ連時代のチェルノブイリ原発事故と同じ最悪の「レベル7」だと政府が認めた。国際的な事故評価尺度(INES)というヤツだ。しかし、実態はこれまでと何も変わらない。
佐藤・福島県知事が「なんで先に知らせてくれない」と怒っていた。一般のニュースで知らされたんじゃ腹の虫がおさまるまい。避難区域に追加となった飯館村でも、「動物(牛)を動かすなんてできない」という批判が出ていたが、当然である。
何の安心にもならない「チェルノブイリは10倍」
今回の評価を決めたのは放射性物質の放出量だ。原子力安全委員会が63万 テラベクレル、原子力安全・保安院が37万テラベクレルと数字に違いはあるが、10万テラベクレルを超えたこと、なお放出が続いていることで「最悪」の 範疇に入ったという。チェルノブイリは520万テラベクレルだから、大きい方の数字でもなお10倍近い開きがある。
この意味を大谷浩樹・首都大学東京准教授が解説した。外に出ても大丈夫か、野菜・魚・水は大丈夫か、米は大丈夫か、蓄積の影響はないのか――。 答えはどれも大丈夫。大谷准教授は「蓄積は筋肉に多いが、筋肉のガンというのはない」「新たな飛散は考えられないから」という。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト