終息の見通しがまったく立たない東京電力・福島第一原発事故。もう原発に頼るのはよそうよという世論が強まるのは当然として、ではそれに変わるエネルギーをどう確保するか。地熱発電の現状をレポートした。
霧島国際ホテルは使用電力の4分の1
モデルケースとして取り上げられたのは鹿児島県の霧島国際ホテル。使用電力の4分の1を地熱発電でまかなっている。司会のみのもんたみのは「より安全でクリーンなエネルギーをどう確保するかは、目の付け所の問題だ」と力説する。
ただ、1998年以降は地熱発電所の建設は1件もなく、総発電電力の中で地熱が占める割合はわずか0・2%でしかない。発電コストも原子力の1Kw当たり約3円に対し、地熱は約60円かかる。でも、みのは「今回、これだけの大事故が起きてしまった。もはや値段の問題ではないでしょう。私たちの生活の安全を優先させるべきだ」と力説する。
原発は高コスト発電
若狭勝(元東京地検公安部長・弁護士)「これからは自然に優しく、安心できるエネルギーを考えなければ。原子力頼みは見直す必要がある」
「日本は世界でも有数な温泉大国。その蒸気を利用するとか、火山にフタをしてその熱を使えないかな。原子力15基分の地熱があるといわれていますから」とみのもんたは冗談を飛ばしたが、発電コストだけを見れば、たしかに原子力は安いのだろうが、施設建設、メンテナンス、廃棄物処理を含めれば決して安くないはずだ。しかも、今回のような事故が起きれば、いかに金食い発電かわかる。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト