震災被災者の避難所になっている気仙沼小学校で、子どもたちが壁新聞を作っている。その名も「ファイトしんぶん」。記事を書いているのは小学生だ。いや驚いた。すばらしい。
編集長は小山里子ちゃん(9)、 副編集長は姉の奏子ちゃん(12)で、ほかに平社員が2人となぜかアルバイトという子がいるが、最年長が13歳だ。むろん手書きで、内容は避難所であったできごと、嬉しかったこと、見聞きしたこと……。
「ラーメン出た」「清原選手のサイン」「テレ朝取材来る」
始まりは被災から1週間後。7歳の吉田理沙ちゃんが編集長だった。モノクロだったのが、20日(2011年3月)にカラーペンが手に入ったので、色がつくようになった。
「ラーメンがでた~~」
よっぽど嬉しかったらしい。
「電気ふっ活」には、「ついた~」「パチパチ」と喜ぶ人たちのイラスト。北海道から炊き出しに来てくれたおじさんにインタビューしたり。
21日には「ランキング」として、避難所での過ごし方をアンケート。1位が「ゴロゴロする」、 2位が「メールを打つ」、3位が「仲間の確認、家に行く」だった。
4月11日はスクープがあった。プロ野球元オリックスの清原和博選手が、炊き出しに来たときにサインをもらったのだ。この時の様子をテレビ朝日のカメラが撮っていた。「どうしよう」「どうしよう」となかなか近づけない。ようやく「しんぶん」を差し出して、サインをもらった。「希望 清原和博」の脇には、「レアです!」と編集長の書き込み。「モーニングバードが取材にきた! 羽鳥アナ」なんてのもあった。
逆取材され赤江珠緒タジタジ
スタジオに壁新聞が張り出された。A3より大きいか。普通の白紙に筆跡もまちまちだが、絵文字、イラストなんでもあり。
本物の編集長・舘野晴彦(月刊ゲーテ)が「すべてが入ってる。涙がでますね」
そこで、電話で逆取材だ。出たのは副編集長の奏子ちゃん。
司会の羽鳥慎一「すばらしい新聞ですよ」
奏子ちゃん「ファイトでがんばります」
奏子ちゃんは赤江珠緒キャスターに、「お肌がツルツルなのはなぜですか」(爆笑)なんて聞く。赤江も困って「これは生まれつきで…」
羽鳥「楽しいことはどんなこと?」
奏子ちゃん「みんなと書くことです。毎日楽しみにしてるよとかいわれる」
舘野「無理しないで、長く続けて」
いやはやたくましい。こういう子どもたちがいれば気仙沼は大丈夫だ。