東日本大震災の被災地で女性の力が求められている。宮城県気仙沼市の社会福祉協議会によると、「キメの細かいところは女性の方にお願いしたという要望が上がっている」という。番組リポーターの中山美香が気仙沼市ボランティアセンターに登録して実情を探った。
男性には頼みにくいことも
さっそく女性3人を含む6人で、津波で1階部分が泥で埋まったお年寄りの家の片付けに向かう。部屋のフロアに溜まった泥をスコップで除き、水で洗い流す作業に取り組む。かなりの重労働だが、5時間かけて隅々まできれいにし、泥だらけの風呂場も使用可能なほどに仕上げた。
作業が終わったあと、この家のお年寄りがこんな感謝の言葉を漏らした。
「皆さんの真心で生きているようだね。初めて本当に人の優しさを感じています」
スタジオでは司会の加藤浩次が「気付かないことっていっぱいありますね」と感想を漏らすと、中山が女性ならではの仕事が結構多いと次のように話した。
「寄付で送られてきた大量の衣類の整理や物資を運ぶのは男性でも、それを仕分けるのはやはり女性が得意。炊き出しのほか、使用したお皿などを洗う仕事もある。
被災者の女性が化粧品やリップクリーム、下着などを求めるにも、男性より女性ボランティアの方が話しやすい」
女性向け宿泊所、休憩所がない
コメンテーターの香山リカ(精神科医)も「東北の人は一般的に遠慮深い方が多いと言われる。男性のボランティアだとなおのこと遠慮してしまう。女性なら話しやすい。ただ、女性ボランティア用の宿泊施設が確保されていないなど過酷な環境だけに難しい」と指摘した。
中山「宿泊所や休憩場所がないので長期滞在は難しいですが、被災地の方々は1日だけのボランティアでも助かると話しています」
避難所生活は長期戦を強いられそう。自治体は受け入れ態勢にさらに工夫が必要だ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト