安全強調するほど風評拡大―こうなったら強制購入という「悪い冗談」

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   「スーパーに並んでるものは全部安全なんです。ちゃんと買いましょうよ、と」「わたしたちが安全基準を勝手に決める現象が起きている、と」。いわずと知れた「風評被害」について、森本さやかアナが力説していた。

不安が「的中」する不安

   風評被害の原因は「根拠なき不安」「漠然とした不安」だというが、今回の不安の原因はじつにハッキリしている。「想定外」の震災、災害とそれに対応できない人間という構図をこれでもかと見せつけられたことである。

   未曾有の放射能汚染に対して、検査体制は十分なのか? そう不安に思っていると、十分でない事例が出てくる。テレビの放射線専門家は、放射能の暫定規制(基準)値は「安全に安全を重ねた」と言うが、福島事故以前は、少なからぬ専門家が余計な放射線を浴びるのはできる限り避けましょうなどと主張していたはずで、そこにもギャップがある。

放射能恐れると「非国民扱い」

   では、東日本の産物がこうむっている深刻な「風評被害」をなくすにはどうしたらいいのか。消費者の多くは「スーパーに並んでれば安全」などとは思ってないだろうし、現状ではそう思わせるのはむずかしい。ならば発想を転換して、安全を求めようとする消費者の意識を変えるしかない。

   これまた難題だが、歴史に学べば解決策はありそうだ。この国難のとき、安全という贅沢を欲しがるのは、国民を代表して福島で放射能と戦ってくださっている方々に申し訳ないと思わせ、わずかの放射能すら避けようと自衛に小心翼々としているのは、「オールジャパン」の和を乱す恥ずべき非国民的行為だと思わせるのだ。

   「欲しがりません安全は」など、わかりやすい標語による啓発を行う。あるいは隣組を通じて野菜を強制購入させる、実質強制参加の東照宮団体ツアーを組む。そうした施策を誰かの強力なリーダーシップのもと断行する。ちょうど、東京でもその手のことにうってつけそうな知事が再選されたことだし。

文   ボンド柳生
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