千葉・浦安の住民苦境「マイホーム修理にハンパじゃない出費」

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   よく撮ったと思う。大地震の瞬間、千葉・浦安では歩道のタイルが奇妙な動きをしていた。道路中央と端が逆の方向に動いて、そのすき間から水と泥が吹き出していた。おそらく液状化の瞬間をとらえた世界初の映像だ。

   被害は深刻なものだった。住宅や電柱が傾き、道路が沈んでマンホールが飛び出す。 アスファルトはめくれあがってひびだらけだ。吹き出した膨大な量の泥が住宅と道路を埋めた。上下水道も止まったから、公園にトイレと水道が仮設されて、かろうじて市民の日々を支えてきた。

   浦安はもともと市域の4分の3が埋め立て地。地震でその砂が液状になって吹き出したから、その分地盤が落ち込んだ。ビルまでが傾き、道路と大きな段差ができた。

   家が傾いているとめまいに似た感覚になると住民は言う。ベッドが傾いていたら眠れないだろう。上水道はきのう(2011年4月6日)復旧したが、深刻なのは下水道。これが止まったままだと、せっかく来た水道の水も流せない。5600世帯に及ぶという。

下水道工事20万円、ジャッキアップ200万円

   リポーターの原元美紀がこの間の事情を説明した。下水道の道路部分は公共工事になるが、家の敷地内は自己負担になる。これが平均20万円かかるのだそうだ。

   司会の羽鳥慎一「何とかならないもんですかね」

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「浦安市が国の救済対象になるかどうか。入らないと自己負担」

   羽鳥「新潟地震のときはがれきや泥は道路まで出したら持って行ってくれたが、それと同じですかね」

   玉川「塩釜の友人が言ってた。車が家の中に入ってるのを外へ出さないといけないって」

   松尾貴史(タレント)「非常時だから、状況によって柔軟に対応してもいい」

   原元は家の傾きを直すジャッキアップに約200万円かかるが、「危険度は今後も変わらない」と話す。

水回り沈下で排水逆流

   現地には大西洋平アナがいたが、道路の真ん中に飛び出したマンホールは、180センチという大西の身長くらいもある。あたりは一面の砂で、これが地震で吹き出したもの。大西が手にとるとサラサラだが、水を加えると固まってしまう。

   大西「もし下水道管が破れていると、この砂が詰まってしまう可能性 がある」

   もうひとつ難問がある。マンホールと一緒に下水管も浮き上がっているはずで、住宅が沈んでいると下水が逆流してしまう。これは大工事だ。

   ただ、浦安市には義援金が1億3000万円も寄せられているそうで、市は「東北だけでなく、ここに目を向けてくれる方が多く、ありがたいことです」といっている。

   羽鳥「千葉の人が千葉も大変なんだけど、忘れられるのが心配だといっていた」

   松尾「マスコミにどう報じられるかで決まってしまう」

   テレビの扱いも液状化現象の奇妙さばかりに目が向いていた。大都市で下水道がなくなったらどうなるか、これも世界初の試練かもしれない。 市長が「県議選どころじゃない」というのもわかる気がする。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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