福島原発の「風評被害」は深刻だ。ただ、一口に「根拠のない風評」と言っても、その中身はいろいろある。福島原発は収束の見通しもないまま、風評、風評といってる間に、庶民間の風評が現実になってきた。
東電・政府は何か隠しているという疑心暗鬼
筆者の暮らす東京では、東電や政府は放射能についてなにか隠しているのではないか、ウソをついているのではないか、あるいは意図的でなくても、漏れや誤りがないか、それにしても今後(事態が悪化したら)いったいどれだけ被曝することになるのかといった不安を口にする人が、知る限り、増えてきた。最近はテレビのワイド番組コメンテイターなども、とくにタレント系はそうした怖れを口に出すようになってきた。政府や放射線専門家の懸命の喧伝も、だんだんと効果が薄れだしてきたようだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト