九段会館の天井崩落―原因は築70年より凝りすぎたアーチ型つくり

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   東日本大震災の被災地、東京の九段会館では、専門学校の卒業式場の天井が崩落し、2人が死亡、30人弱の重軽傷者が出た。同館は築70年以上の古い建物だが、川崎市の築7年と新しいコンサートホールでも天井が大規模に崩れ落ちるなど、首都圏でホール等の天井落下の被害が相次いだという。

   「ほかのホールが大丈夫なわけで、数か所がこんなふうになるというのは、なにか問題点があるのかもしれない」と司会の小倉智昭が言う。

建物耐えても他に盲点

   建築物の構造に詳しいという元結正次郎・東工大准教授によれば、こうした事故は、築年数よりも天井の構造が影響している可能性があるという。九段会館の天井は凝ったつくりで、斜めのアーチ型になっており、地震の横揺れに弱く、重さも3トンと重かった。また、建築基準法には、天井を具体的にどのような数値でつくるという決まりはなく、それが今回のような事故につながった可能性があると指摘しているそうだ。

   今回の地震では、かりに「建物」が揺れに耐えたとしても、その他の部分にいくつもの弱点、盲点があったことがあらためて浮き彫りになった。足元から頭上までの「耐震」見直しが急務だ(社説風)。

文   ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト
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