「お花見やってもいいんじゃないかなと…」(中野美奈子アナ)
震災や計画停電による自粛ムードのまん延で消費が低迷している。これが復興のスピードを遅らせる懸念も指摘されだした。
上野動物園、東京タワー再開
新年度入りした1日(2011年4月)午前9時から、中国から大金をはたいて借りてきた上野動物園のパンダが一般公開された。運転休止だった東京タワー展望台のエレベーターも再開されたほか、水族館や遊園地も1日から営業再開のところが多い。
ところが、一方で自粛ムードは広がったまま。収まる気配はなく、飲食店業界やイベント業界は悲鳴をあげっぱなしだ。音楽イベントのプロモーターによると、千葉・幕張メッセで予定していた外国人ミュージシャンの音楽イベントが、「日本に行くのがちょっと怖いという理由で、3月から4月にかけて50本ぐらい延期になった」という。こうした動きは全国に広がっており、震災後1200以上のイベントやコンサートが中止になっているという。
消費低迷で経済押し下げ
しかし、これでは日本経済は沈むばかりで沈没しかねない。経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上が次のような指摘をした。
「これから復興財源をどこに求めるかというなかで、皆が冷え込み、自粛の横並びが広がってしまうと、悪い押し下げ要因がもっともっと大きくなってしまう」
被災者を思えば浮かれてもいられないし、計画停電に加え、交通機関の運休やら間引き運転、いつ高濃度の放射能が降り注ぐかもわからないのでは外出もままならない。
単なる自粛ムードの横並びだけでもなさそうだが、放っておけばたしかに消費は低迷するばかりで、復興の足枷になりかねない。
祭り中止するより募金集め
阪神淡路大震災のときも自粛ムードが広がったが、大阪の天神橋筋商店街はこんなアイデアで乗り切った。
「やはり祝い事はできないみたいな感じが漂っていたから、自分たちで景気が良くなるような頑張り方をする。それがお互いに良くなる一つの出発点になる」と考えたという。
従来通りのお祭りやイベントはちゃんとやり、その催しに被災者たちを招待して元気づけたという。
キャスターの小倉智昭「お酒を飲んでドンチャン騒ぎはどうかと思う。けど、都知事が『お花見なんかやっている場合じゃないよ』というと、都民はお花見しちゃいかんという感じになる。
ボクも消費が落ちると復興が遅れると思う。東京のある有名な祭を中止し、祭にかかる費用を義捐金として贈る話があるが、祭をやって募金を集めればそれ以上のおカネが集まると思う」