官邸HPのCTスキャン放射線量にも嘘
後者の懐疑派は「週刊文春」と「週刊朝日」になる。文春は「放射性物質『汚染食品』風評か、本当に危ないのか」で、青沼陽一郎氏に産地をルポさせている。その中で、福島の原乳について、福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した山下俊一長崎大学教授は、放射性ヨウ素を取り込んだ牛の甲状腺はだいぶ被曝していて、そのヨウ素が最初に凝縮されるのが原乳だと警鐘を鳴らしている。
また、現在使われている放射性物質汚染の「暫定基準」は、原子力安全委員会が示した「指標値」を借りたもので、あわてた厚労省が食品安全委員会に安全基準の数値を諮問したが、もともとその委員会にしてからが内閣府の中に置かれ、職員も他省庁からの出向が多く、議論を行う専門調査会のメンバーにも大学教授が多く、国から研究費をもらう立場であれば、中立公正な立場を保ちずらいのではないかと疑義を呈する。
これは別ページだが、近藤誠慶応大学医学部講師が、首相官邸のHPで日常生活で放射線を受けることがあるが、健康上の問題となりませんとして、CTスキャンの放射線量を示し、その数値を6・9ミリシーベルトとしていて、新聞やテレビもその数値をそのまま引用しているが、これは「都合のいい数字」だと批判している。
06年の調査によると、1回のCT撮影で受ける線量は、腹部・骨盤では男性が23ミリシーベルト、女性が29ミリシーベルトで、造影剤を入れてもう1度撮れば数値は2倍になり、定期的に受けていれば100ミリシーベルトなど簡単に超してしまう。「タバコを除けば、国民の発がんの最大原因は医療被曝だと言っても、あながち過剰ではありません」と恐ろしいことをいっている。