各地の避難所「子どもの心ケア」―押し殺している不安・悲しみ

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「大きくなったら、自衛隊に入って人の役に立ちたい」

   今回の大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の保育園の卒園式で男の子がこんな夢を語った。

   司会の加藤浩次「6歳のこどもですよ。それがこんなことをいうんですよ」

   感想を聞かれたタレントの大沢あかね。涙ぐみながら「子どもたちが、小さな胸でいろいろ考えていると思うと…。これからは心のケアをちゃんとしてあげないと」

   大震災は被災地の子どもたちの心にも大きな衝撃を与えた。宮城県気仙沼市の若い父親は、3歳の男の子が夜泣きをするようになり、「津波で家がなくなった」としきりに口にすると心配する。子どもたちの精神面のケアが重要な課題となっている。「スッキリ!!」は各地で始まっている子どもたちの笑顔を取り戻す試みを紹介した。

平静装い無理して避難所生活

   多賀城市の避難所には「子どもランド」というスペースがつくられている。山形大学の先生が学生ボランティアと協力、避難所の一角に敷物を敷き、座り机や本を置いた。他の避難者に気兼ねなすることなく遊ぶことができ、それまでぼんやりとしていた子どもたちの表情に生気が戻ってきたという。

   石巻市の石巻高校の避難所では、地元で絵画教室を開いている男性がこども避難所クラブを開設した。お絵かきをしたり、本を読んで聞かせたり。外に出てチャンバラもする。「子どもたちの笑顔が周りの大人の笑顔につながれば」と話す。

   専門家によると、子どもは安心して眠り、食べ、遊び、そばに親がいるのが本来の姿だが、それが保証されてない避難生活の中で、言葉使い、表情、しぐさ、食欲などに以前と違う様子があれば、それは無理をしているという症状だという。よく見られるのが、年齢によって違いがあるが、夜中に目をさます、泣きわめく、赤ちゃん返り、無口もしくは攻撃的になること。これは助けを求めているサイン。気づいたら、(1)大丈夫といってあげる(2)スキンシップをふだん以上に(3)子どもの話に何度でも耳を傾けること。こうしたことが大切だという。

   大沢「ぎゅっと抱きしめたり、ぎゅっと手を握ったりすることで子どもは安心する」

   加藤「いまは大丈夫な子どもも、この先いろんな症状が出るかも知れない。長い目でしっかりみていかなければいけませんね」 

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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