フランスからジャンヌ・ダルクがやってきた。世界で唯一、原子炉燃料から原発の運営、汚染された水の処理まで、全体を掌握できる原発会社「アレバ」の女性CEOロベルジョン氏が、部下の専門家5人と30日(2011年3月)、成田空港に到着した。
当事者能力を失った東京電力首脳に代わって、救世主の役割を発揮してもらえるのか。
東電いまだこの脳天気
東電の勝俣恒久会長が入院してしまった社長に代わって初めて会見に及んだ。ところが、「思わぬ発言に波紋が広がっています」(小倉智昭キャスター)と言う。「1~6号機まで一応の安定を見ることができました」と話したからだ。汚染水処理のメドも立たない緊急事態が続いていることに代わりはないのに、最高責任者がこの脳天気ではいよいよ心許ない。
これに原子力安全委員会がまず反応し、「事故はまだ収束していません。なにが起きるか予断を許さない状況が続いていると思うのが普通だと思う」と会長発言を否定した。枝野官房長官も「政府が認識とか判断とかいう以前に、社会的な見方がはっきりしていると思う」と厳しい。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト