福島原発では昨日(2011年3月29日)、放射線管理区域外である建屋の外にまで強力な放射能水が進出し、また敷地内でプルトニウムが微量検出されたことがわかった。もちろん、これもただちに健康への影響はないのだろう。誰もが知りたいのは、今後の日本社会・経済のために、こうした事態が一刻も早く食い止められるかどうかである。
コメンテイターで作家の落合恵子は「これまでの流れを見てると、シロウトとしては、手当をしようと頑張ってもできないまま、状況はより深刻になっていくような気がしてならない」と不安を口にする。
閉じ込め機能は低下
臨界事故を研究している中島健・京大原子炉実験所教授は、深刻さのなかに少しは明るさをも見いだしているようだ。炉心については「冷やす方は少しは効果が出てきている」と評価。水を入れて、炉心をある程度押さえ込めている(爆発的な事象を避けるためには最優先事項だろう)一方、放射能の「閉じ込め」機能がだんだんと持たなくなってきて、じわりじわりと漏れてきてる状況だという。
そして放射能ダダ漏れが懸念される使用済み燃料プールには、朗報があった。「専用の配管を通じて、2~4号機は水を定常的に入れられる」ようになったというのだ。しかも2、4号機はほぼ満水と考えられる状態だという。
建屋の爆発により、屋根の防水用アスファルトが落下して、プールの上に覆い被さってるらしい1号機はどうなんだとか、なぜ3号機は満水にならないのか、など懸念は絶えないものの、とにかくプールに継続的に水を入れられ、満水にできる可能性が判明したことは、不幸中の幸いというか、死中の福音とも言えるのではないか。