靖国神社の桜がほころび、28日(2011年3月)には東京で開花宣言があった。しかし、キャスターの小倉智昭は「桜どころではありません。原発が心配な状況になってきました」と、新たな危険が浮上した福島第1原発を取り上げた。
メルトダウンすでに起こっている
最大の心配要因はプルトニウムの検出。武藤栄・東京電力副社長は会見で、「福島第1原発の5地点でプルトニウム238、239、240が検出されたのでお知らせします。人体に問題となるレベルではございません」と報告した。
自然界には存在しないプルトニウムが今も日本の土壌から検出されるのは、1950~60年代にかけて行われた米ソの核実験。この時に排出されたプルトニウムが世界中に拡散され消えずに残っている。今回検出された量はこのレベルと同程度だという。しかし、番組では触れなかったが、プルトニウムは8日で半減する放射性ヨウ素とは違い、何十年も残る。吸い込むと肺などの内臓に蓄積され、放射能を出し続けて癌を発症する猛毒物質だ。
2008年まで東電に勤め、原発の研究をしてきた高木直行(東海大教授)によると、原子炉内で生成されるプルトニウム238が含まれていたことから、福島第1原発から漏えいしたことは明らかという。3号機はプルトニウムを燃料として混ぜたMOX燃料を使っているが、ウラン燃料を使う他の原子炉でも運転中にある程度のプルトニウムが生成されるので、どの原子炉から流出したかは特定しにくいという。
竹田圭吾(Newsweek日本語版編集主幹)「原子力安全・保安院ははっきりおっしゃらないが、部分的にメルトダウン(炉心溶融)しているのでは…」
高木「保安院は燃料が溶融しているという言葉を使っており、そういう段階と思う」