東京電力始まって以来という計画停電は、鉄道各社の協力と一般の節電効果で、どうやら実施したりしなかったりで持ちこたえているようだが、「隣はついている。腹が立つ」と不公平への不満は多いようだ。
たしかに周辺部は何度も停電しているのに、東京23区はほとんどないなどのばらつきがあるようだ。東電はこれまでの5グループを25に細分して、きのう(2011年3月28日)は、第2グ ループの155万世帯だけですんだ。
計画停電「隣はついてるのに…」不公平に不満
23区のなかでも荒川区と足立区は実際されている。荒川の鉛筆工場を訪ねると、停電のために1日に5万本の生産が半分になったという。
「公平にやってもらいたい。道路の向こう側はついてるんだ。同業者が多いから注文があっちへいっちゃう」
足立区の人工透析をしている60床の病院は、1日に180人が訪れるが、停電でスケジュールが守れないとこぼす。透析患者は週に3回、1回に約4時間かかるが、停電のために時間がずれこんで深夜になったり早朝になったり。
「終わりが深夜2時になったこともあるが、やらないと死んじゃうから」
患者の生活のリズムが狂うだけでなく、病院スタッフの体調管理にも響く。直前にならないとわからないというのも困るという。
立川市のゴミ処理場は自家発電がないため、停電時には処理機が止まる。1日に110トンの処理能力が、1回の停電だと90トン、2回だと40トンにまで落ちる。
一方、アウトドア用のHONDAの発電機や太陽光発電が売れているという。
これからずっと続く「節電」
需要が供給をオーバーして大停電になると復旧が大変なる。そのためにあらかじめ需要を抑える計画停電というわけで、、主旨はみなわかっている。整然とした受け止め方に外国メディアは驚いていたが、問題は需要が増える夏だ。
電力システム研究の岩本伸一・早大教授に、司会のみのもんたが「電気に頼りすぎですかね」と聞く。
岩本教授「そうですね。私が子どもの頃はエアコンがなかったから、10アンペアでよかったが、エアコンだけで10Aですから」
みの「扇風機でしたね」
岩本「扇風機は30ワットです」(笑い)
福島の第1、第2原発のダウンで900万KWの不足。
岩本「これの復旧はないから、1000万KWの不足はずっと続く」
北海道電力から60万KW、関西電力など西から100万KWといっても、あくまで緊急用でしかないという。
東電が出した7月の需要予測は5500万KW(昨年は6000万KWだった)。対して供給は4650万KWだ。 実際は、すでに2割くらい消費を減らしているのだそうだが、これだけ差があると計画停電は避けられない。
岩本「節電でもいいが、事情がわかっているんだから、東電がこうすればいいと提案すればいい」
岩本教授の提案のひとつは「CO2が少ない新型石炭ガス化発電所」。石炭は今後250年もつのだそうだ。LNGはもっとCO2が少ない。 もうひとつはお盆休みを分散してずらせ。「ピークをずらせばいい」とこちらの方はわかりやすい。
みの「早稲田の先進理工学部というのは、そういうことを研究してるんですか」
岩本「そうです。停電も研究してます」
なるほど……。