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   東京電力の福島第1原発で何が起きつつあるのか。もはや当事者の発表は信じられない事態になった。

   ことの起こりは、東電が27日(2011年3月)午後2時に行なった記者会見。2号機タービン建屋内に溜まった水から1立方cmあたり29億ベクレルという超高濃度の放射性物質を検出したと発表した。この濃度は通常の1000万倍というケタ違いの数値だ。検出した物質のなかに、放射性ヨウ素134など核分裂で出る放射性物質も含まれていたことを明らかにした。 ところが夜になって、東電は数値があやふやなため放射性物質を含めて再測定していると説明。28日未明になって、「通常からすると10万倍で、1000万倍は2ケタ間違えた」と訂正した。部外者が知りえる唯一の手立てがこの有り様では、訂正した数値すら信じなれなくなる。

   同時に、保安院が「2号機タービン建屋の溜まり水表面の放射線量が毎時1000ミリシーベルト」であることも公表した。1年間に浴びていい限度が1ミリシーベルトで、その1000倍にあたり、超高濃度である。

プルトニウム漏出の最悪事態

   キャスター小倉智昭「とんでもない数字が出て驚きませんでしたか」と、原子炉工学の専門家、澤田武生(東京工業大教授)に聞く。

「訂正されてよかったが、放射性ヨウ素134は厄介なことになり、衝撃がありましたね」

   含まれた放射性物質がなんであるかは今のところ明らかにされていないが、他の報道では、枝野官房長官が猛毒の「プルトニウムについても調べる」と発言しており、最悪の事態を示唆した。

   日を追うごとに悪化しているのに、原子炉内で何が起きているのか、タービン建屋に溜まった超高濃度の汚染水をどう取り除くのか、もはや東電では収拾できない状態なのか、わからないことばかりだ。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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