原発村の馴れ合いトライアングル
巻頭の「御用メディアが絶対報じない 東京電力の『大罪』」では、今度の原発事故は「人災」で、背景には原発を推進する国、事業者である東電、チェックするはずの保安院の三者による「原発村の馴れ合い」ともいえるトライアングルがあると断じている。3月16日に米軍への支援を依頼したが、これは東電の一部上層部が首相官邸や政府には伝えずにやったことだという。それほど埋めがたい溝が官邸と東電の間にはあるというのだ。
菅政権は災害発生直後に、災害対策基本法に基づく災害緊急事態を布告してないが、これでは「海外の救援部隊が上陸しても、細々とした法律に縛られて、瓦礫の下で死体を発見しても処理ができないこともある」(米政府関係者)そうだ。
地震発生当時、5号機で作業していたBさん(53)は、「原発の寿命は三十年といわれているのに、1号機などは四十年も使い続けている。また、老朽化が進んでいるのに、定期点検の回数が減っているのは理解に苦しむ」と話す。
別のAさん(24)は、「放射線の量は風向きや強さで大きく変わります。正門付近の線量が発表されますが、計測する時刻がバラバラだし、風向きなどは明らかにされない。これまでの彼らのやり方を見ていると、都合のいい数字だけを発表して、詳細な情報は隠蔽しているのでは、と疑わざるを得ません」といっている。
この他にも「経産省と原子力保安院の癒着」や「現場に投入された特殊部隊員が爆発で右足を裂傷した」こと、菅総理が松本防災相と間違えて、民間人に携帯電話を何度も掛けていたという興味深い話がある。