今度は水道水。それも東京だ。福島第一原発の事故の影響がさらに広がった。基準を超える放射性ヨウ素が検出されたため、乳児は飲むのを控えてほしいというのだ。対象が赤ちゃんだけに、母親たちの不安は大きい。24日(2011年3月)の「スッキリ!!」はまずこの問題を取り上げた。
乳児に飲ませる以外はすべてOK
23日、東京都が発表。検出されたのは葛飾区の金町浄水場。1キロ当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。国の基準の100ベクレルの約2倍だが、専門家によると、基準値は1年間飲み続けた場合に健康に影響がでるかどうかという観点から設定されたもので、超えたから飲んではいけないという趣旨のものではないという。
都は「一時的に飲むのは差し支えない」としながらも、給水地域の23区と多摩地域の5市に住む1歳未満の乳児8万人を対象に計24万本のペットボトルを配る。
司会の加藤浩次が首をひねる。
「この控えてほしいというのは、飲んだらダメというわけではない。本当のところはどうなのか。徹底的に聞きましょう」
専門家として解説したのは、自治医科大学RIセンターの菊地透。かなり、はっきりものを言う人だ。番組では、水道水を使ういろいろなケースを想定し、それぞれの可否を尋ねる。
① 水道水でミルクを作る。
② 乳児が水道水を飲む。
③ 水道水で離乳食を作る。
④ 水道水で炊いたご飯を食べる。
⑤ 水道水を飲んだ母親の母乳を乳児が飲む。
⑥ 妊婦が水道水を飲む。
このうち、①②③は東京都が控えてほしいといっているが、菊地の答えはいずれも「まったく問題なし」だった。
加藤浩次の「理由は何ですか」という質問に菊地が細かく説明した。
加藤「つまり、基準値の10倍の量あったとしても影響があるかなというレベルということですね。大丈夫ということですね。では、なぜ東京都はペットボトルを配ったりするでしょう」
菊池「行政として、より安全のために念のため準備しているということでしょう」
最後に加藤はいつものように、「よくわかりました。先生、ありがとうございました」と礼を言ったが、本当によくわかったのだろうか。専門家が詳しく説明すると素人はますますわからなくなる。といって、結論だけだと腑に落ちない。テレビはこの兼ね合いが難しい。