「水に関しては出荷制限とか摂取制限はできないですよね。命に関することですから」(キャスターの小倉智昭)
東京都が23日(2011年3月)に発表した水道水の放射能汚染。ニュースを聞いた母親たちが大騒ぎするのは当然で、スーパーやコンビニに駆け付けてペット飲料水をまとめ買い。あっという間に売り切れた。都の説明が曖昧だからだ。
「1歳未満の乳児は水道水で粉ミルクを溶いたり、使用を控えてほしい。でも代替水がなければ飲んでもいい」「(大人は)長期間摂取しなければ健康に影響ない」
東京都の説明に小倉がかみついた。まず1歳未満と線引きするのがおかしい。1歳をちょっと超えたら全く影響がないとも思えない。だいたい水は期間より飲む量が問題で、長期間という曖昧な物差しでは分からない――というわけだ。
1日で1割減少
これに放射線防護の専門家である福士政広氏は、「政府が定めた暫定規制値を超えたのでドンドン飲んでとはいえない。でも、規制値は安全を十分見込んで決めており、飲んでも大丈夫なんです」という。
煮沸しても放射能汚染はなくならないそうだから、水道水の放射能量をいかに減らすかの工夫しかない。福士が現実的な方法を提案した。
「今回検出された放射性ヨウ素131の半減期は8日。つまり8日たつと半分に減り、16日で4分の1になる。そこで考えてもらいたいのは、ペットボトルに水道水を詰め、栓をして保管すれば1日で約1割減っていく。それをミネラルウオーターで2倍に薄めれば放射性ヨウ素は100ベクトルを切ってしまう」
小倉「冷蔵庫に入れて保管したらどのくらい持つだろう」
番組では福島産野菜の摂取制限も取り上げ、水洗いの効果を盛んに強調していたが、市販のペット飲料水で洗うわけにもいかない。結局、放射能に汚染された水道水で洗うことになるわけで、ちょっと矛盾している。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト