福島原発すべて廃炉へ―何十年も冷やし続ける21世紀の廃墟

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   福島原発3号機への放水で放射線量の当面の押さえ込みができた。外部電源引き込みの配線も進むはずだったが、きのう(2011年3月21日) 午後になって、3、2号機 が相次いで煙を噴き、作業員の避難などで作業は中断した。

   午後3時55分ころ、3号機から黒煙というか灰色の煙が上がった。6時22分には2号機の建屋の屋根のあたりから蒸気と見られる白煙が上がったが、どちらも原因はわからない。

   これについて、諸葛宗男・東大特任教授は「黒煙は可燃物があったのだろう。ただ、 環境放射能の値は上がっていないので、事態は深刻ではないだろう」という。何かが燃えていて、まだ火がつくだけの発熱があるということだ。2号機は建屋が壊れていないから、中がどうなっているかわからない。煙が水蒸気だとしたら燃料保管プールか。これまた不気味だ。これらを知る出がかりが電源の復旧だ。観測機器類が動けば、制御室から各部分の状況がわかる。緊急冷却ポンプによる冷却が始まれば、消防の放水も終わることができる――これが諸葛教授の解説だ。

コンクリで覆われた「石の棺」

   みのもんたが「どうなれば安全なの?」という。

   6つある原発のうち、1~3号機までは炉心が何らかの形で損傷している。3、4号機は燃料保管プールが破損している。2号機の白煙もプールの可能性がある。プールが損傷すると燃料の抜き取りができないから、長い時間をかけて冷やしていくしかない。

   5、6号機は電源の復旧で正常にもどり、今後、発電させることは可能だが、これだけの事故を起こしては再稼働はできまい。枝野官房長官も福島第一原発全部の廃炉を示唆している。

   司会のみのもんたが「チェルノブイリはたしかコンクリートで覆ったんですよね」

   諸葛教授「石棺ですね」

   みの「そうなる可能性は?」

   諸葛教授「あります」

   それには何十年もかかる。冷やし続けないといけない爆弾をかかえて放射能を抑え、広大な廃墟を管理し続けなければならない。現代のSFである。

   原発周辺の海水からきのう、ヨウ素131が 基準値の126.7倍、セシウム134が24.8倍が計測された。あれだけ放水すれば、あふれた水には放射性物質がたっぷりだ。海がどうなるかも自明のこと。これもSFだった。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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