野菜・原乳の健康被害―官房長官の「ただちに心配ない」はどこまでの安心?

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   福島原発の事故の影響で、放射性物質が規制値を超えて見つかったほうれん草、かき菜について、政府はきのう(2001年3月21日)、福島、茨城、栃木、群馬の4県の知事に出荷停止を指示した。福島は原乳も含む。

   初の農産物への影響だが、根拠になったのが暫定規制値というやつ。放射性よう素131、セシウム137が見つかったというのだが、その数字が「54100ベクレル」などとよく分けがわからないから、消費者はかえって心配だ。

   枝野官房長官は「ただちに健康被害が出るような状況ではない」と強調しているが、はたしてどうなのか。放射線量そのものは飛行機でアメリカへ飛んだときに受ける程度とのことで、専門家も「全く心配はない」という。では、暫定規制値なんて何なのと聞きたくなる。

「食べても大丈夫なら発表しないで」(茨城県農家)

   茨城の農家は「食べ続けても大丈夫なら、発表しないでもらいたいね」と話し、小売店は「流通しているものは安全だということになるが、はたしてそう受け取ってくれるかどうかだね」という。福島の酪農家も「乳牛は絞り続けないとダメになる。売れなくても絞らないといけない。牛から放射能が抜けるのにどれだけかかるか。長く続くのなら廃業しかない」と顔を曇らせる。出荷停止は政府の指示だから、「まずは東電が、 次に国が補償する」(官房長官)というが、それはしっかりやってもらうのは当然だろう。

   司会のみのもんた「ただちには、ただちにはって言われてもねぇ」

   三屋裕子(スポーツプロデューサー)「政府を信じたいけど、『ただちに』とか、『当面は』とかが多すぎる。ただちにじゃなかったらどうなるんだと」

   杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)が「数字を出すことで、生産者も消費者も安心といわないといけない」

   折から関東地方は雨。諸葛宗男・東大特任教授は「雨は空中の放射性物質を洗い流す」はいいのだが、「雨には濡れない方がいい。濡れたらよく洗って……」となると、やっぱり不安を煽ることになる。この問題は説明すればするほどマイナスイメージがふくらむ。まったく困ったものだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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