福島原発事故では、大地震以来、深夜早朝、人間の生活時間にはお構いなく、「想定外」の危機的な事態が次々と発生してきた。が、昨日から今日にかけては特筆すべきほどのあらたな危機はなく、これまでと同じ深刻な状況がほぼ維持されているように見える。
また、自衛隊ヘリや地上からの放水、電源回復作業など、人間側のあらたな試みが伝えられると、テレビ(スパモニではないが)では、それ以前はいまにも泣き出しそうな顔をしていたアナウンサーが一転してはしゃぐような光景が見られた。
しかし、周知の通り――と言っていいだろうが、人間の逆襲は現在のところ、華々しい戦果をあげているとは言いがたいようだ。
臨界事故を研究している中島健・京大原子炉実験所教授は、使用済み核燃料冷却を目指した放水について、放水によって状況が変わり、逆に放射能レベルが上がってしまう懸念もあったとし、周辺の放射能レベルがほとんど変わってないため、「少なくとも悪い方には行かなかった」と評価している。
文
ボンド柳生