「私も野球ファンだけれども、これどうしても解せない」
キャスターの小倉智昭がオープニングトークで、プロ野球公式戦開幕の日程について疑問を呈した。17日(2011年3月)に発表になった公式戦開幕の日程は、セ・リーグが予定通り3月25日、パ・リーグは4月12日に延期されることになった。
コミッショナー「日本は落ち着いている」
小倉に限らず、誰もが疑問に思うのがセ・リーグの開幕。新聞によると、加藤良三コミッショナーは「風評により日本は負の連鎖に陥っている。野球がやれるぐらい落ち着いているというメッセージを世界に向けて発したい」と述べたという。
加藤コミッショナーは駐米大使も務めた外交官で、良識のある人物のはずだが、風評による負の連鎖に陥っている云々というのはいかがなものか。
被災地は電気も水道もなく、生きるためのギリギリの避難生活を送っている。津波の被害こそ免れたが、首都圏では計画停電で不便な生活を強いられている。
選手たちは強行開催に反対
小倉は怒る。
「ナイターは午後6時ごろから始まる。大規模停電になるか分からないという一番電力消費量の多い時間帯です。そんななか、東京ドームに煌々と明かりをつけて野球をやれるんでしょうか」
深澤真紀(編集者)も「選手会はファンのためにこそやりたくないとものすごい決断をしたのに、(日本野球機構は)何を守りたいのか分からない。強行しようとしているのはファン不在、選手無視と思う」と憤懣やるかたなしといった表情である。
小倉によると、この予定通りの開幕を決める際、「ある偉い方が戦後復興のとき、プロ野球を開始してどれだけ日本人に勇気を与えたか引き合いに出した」という。
当時、なかったナイターは中止するというのならまだしも、大量の電気を使って野球に興じる。被災地の人はそれを見てどう思うか。人でなしだろう。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト