選手たちは強行開催に反対
小倉は怒る。
「ナイターは午後6時ごろから始まる。大規模停電になるか分からないという一番電力消費量の多い時間帯です。そんななか、東京ドームに煌々と明かりをつけて野球をやれるんでしょうか」
深澤真紀(編集者)も「選手会はファンのためにこそやりたくないとものすごい決断をしたのに、(日本野球機構は)何を守りたいのか分からない。強行しようとしているのはファン不在、選手無視と思う」と憤懣やるかたなしといった表情である。
小倉によると、この予定通りの開幕を決める際、「ある偉い方が戦後復興のとき、プロ野球を開始してどれだけ日本人に勇気を与えたか引き合いに出した」という。
当時、なかったナイターは中止するというのならまだしも、大量の電気を使って野球に興じる。被災地の人はそれを見てどう思うか。人でなしだろう。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト