東京電力・福島第一原発の事故による放射能の飛散からどうやって身を守ればいいのか。屋内退避地域の人たちはずっと家の中に閉じこもっていなければならないのか、もどかしいところだ。「スッキリ!!」では、放射線医学総合研究所の医学博士、神田玲子に注意点を聞いた。
「屋内退避」で食糧尽きた老夫婦
現在、福島第一原発から半径20~30キロ圏内は屋内退避地域になっている。エリア内の福島県南相馬市に住む年配の夫婦は、公的機関から明確な指示が伝わらないまま心細い毎日を送っている。近くの若い人はどこかに避難したようだが、夫婦は頼る親類もなく、やむなく自宅に留まっているという。
放射能を防ぐ方策についても指示は聞いていない。窓を閉め換気扇を止めて外出を控えるようにしている。だが、食料とガソリンが底をついてきた。買い出しに行かなければならないが、車で1時半かかる福島市まで行かないと品物がない。屋内に閉じこもってばかりおれないのだ。地震、津波に加え、放射能被害の不安と闘う日々が続いている。
神田によると、もともと自然界には放射性物質はたくさんあり、身体の中に入って1時的に若干レベルが上がるのは普通のことなので、あまり神経質に考えることはない。いま発表されている数値では、屋内退避地域でも直ちに健康に影響が出ることはない。とはいえ、身体に取り込まないよう注意が必要だ。
ヨウ素入りうがい薬は逆効果
その対策は――、
①肌に付いたら水や石鹸で洗うこと。付いたら怖いのではなく、落とせばいいのだ。
②衣服は洗濯する。使い捨てにすることはない。
③ヨウ素入りのうがい薬を飲めばいいというのは間違い。飲むことの害の方が大きい。
④換気扇は使わないよう。
⑤放射能が検出された水も微量なら飲んでも心配ない。ただ、微量という点が微妙なので行政の発表に注意すること。
⑥できるだけ雨や雪にあたらないようにすること。
「お気づきになっていらっしゃる方もあると思いますが、外のものを身体の中に入れないという点で花粉症対策と同じです」(神田玲子博士=前出)
東京周辺ではいまのところ放射能被害の問題は何もないが、心配な人はこの対策を励行すると良いという。