庁舎流された南三陸町長「頭越える波が行ったり来たりした」

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   住民の大半が不明とされる宮城・南三陸町では、3階建ての町庁舎も飲み込まれ、屋上に避難していた町職員30人のうち20人が流された。生き残った町長がきのう(2011年3月14日)生々しい被災の状況を語った。

   佐藤仁町長は「震度6だったので、間違いなく津波が来ると防災無線で『とにかく高台へ』と避難を呼びかけた。記憶では20分くらい放送を続けた」という。津波に備えて自分たち30人も3階建ての防災センターの屋上へ移動したが、「水門の高さは8メートルくらいあるが、それをはるかに超えた波が襲ってきて、上にいたみんなが飛ばされました」

   防災センターの鉄骨の骨組みは残っているが、完全な丸裸。屋上に無線とテレビのアンテナが立っているだけだ。

「アンテナにしがみついた3人は助かった。わたしら7人が鉄製の柵にすがっていたんですが、3分くらいだと思いますが、自分たちの頭を越える波が何回も行ったり来たりした」

   津波の直前まで、車で避難するよう訴えていた職員の安否はわからないという。南三陸町ではこれまでに1000人の遺体が見つかっている。

耐震基準ない壁や天井

   仙台出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきお、富澤たけしは地震のときロケで気仙沼にいた。

「もうすぐ前が海で、地面が波打ってましたね。店から人が出てきて、ガラスが割れる音がしたり悲鳴が聞こえたり」(伊達)、「サイレンが鳴って、『避難してください』と」(富澤)

   仙台市内もかなりひどい。仙台駅では駅の建物そのものはなんともないのに、天井やカベなどがめちゃめちゃだ。しばらくは再開できそうにない。また、市内ではきのう、ボランティアがみそ汁をふるまっていた。市民は「しばらく冷たいものばかりだったのでおいしい」という。

   司会のみのもんた「仙台駅があそこまでになっちゃうなんて」

   防災が専門の河田恵昭氏(関西大部長)は「建物は耐震基準があるが、カベとか天井、パイプなどは基準がないんですよ。空港だってそうでしょ」

   陸前高田には奥平邦彦レポーターがいた。きのうまでに不明者1282人という数字が出ているという。町の中心で残っているのは病院とホテルだけ。ここでは昨夜、住宅火災があった。原因は流れ着いた車だったという。

   奥平の後ろにたき火をする人たちが見える。

「小屋を建てたり風呂をわかしたりしてがんばっている人たちもいます」
文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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