東日本大地震の発生以来続いていた特番態勢が、この日(2011年3月14日)の「朝ズバッ!」は通常通りの放送でスタートした。
司会のみのもんた「目を覆うばかりの悲惨な状況です。自衛隊10万人をはじめ、救援に当たる方々には頭がさがります。われわれも不眠不休で報道を続けてきました。1人でも多くの方が助かってほしい」というメッセージで番組は始まった。
これまでに約200人の死者、不明者もいれると3900人。宮城だけで連絡がとれない人がまだ1万人を超すともいわれる未曾有の惨状だ。米田やすみレポーターが南三陸町から、奥平邦彦レポーターきち陸前高田が現地報告を入れた。
甘かった地震・津波想定
さらに、福島第1原発の水素爆発、大規模住民避難、さらに計画停電も未体験ゾーンだ。
みの「津波は天災だが、原発は人災ではないのか」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説室長)「地震の規模が想定外というが、想定が甘かったのでは。発表も数値を並べられるだけでわからない」
末吉竹二郎(国際金融アナリスト)「津波の被災者のことを考えれば、計画停電のがまんなんて小さい。それより、原発情報の出方が少なくて遅い。プロが考える安全と一般の感覚とのギャップがわかっているのか」
「原子炉1号機の冷却作業は続いている」「ガスを抜く」「海水注入」「容量を超えているのに計器が正しくない」「3号機も海水注入で水素爆発のおそれ」「さらなるメルトダウンの可能性」などなど、次々と流されるのだが、それがどういう事態で見通しがどうなのかがよくわからないのだ。
「逃げられない人もいるんだ!」
とくに、避難指示を受けた住民の中に、放射性物質による被曝が22人、汚染者200人近くというのがみのには納得できないらしい。「100何キロ離れたところで検出されたんですよ」
諸葛宗男・東大特任教授は「チリがついただけでは汚染、体内の取り込んだら被曝です。いまの汚染のレベルは、現場に1時間立っていても、レントゲン検査の10分の1」という。
末吉「想定外のことが起きた。圧力容器は大丈夫、汚染も低い、だからいいんですよとしか聞こえない。絶対に安全といっていたのではないのか」
諸葛教授「絶対に安全とはいっていないでしょう。想定条件を超えてしまえばわからない」
みの「絶対に爆発しませんか」
諸葛教授「絶対ではない」
福島・二本松市に避難して「汚染」と判定された69歳の男性が、上着を脱いで悲しそうにつぶやいていた。
「動けない人もいるし、そういう人ばかり。官房長官は立派なことをいっても現場はこうなんだよ」
番組の途中で、計画停電は実施しないと東電が発表したが、通勤への影響はすでに出ていた。そして午前11時、3号機で爆発が起きた。