いまや政治家がインターネットでブログやツイッターを駆使するのは当たり前の時代。しかし、思い起こせば10年前、「大将なんだから!」(谷垣禎一)のコントで知られる政治滑稽劇「加藤の乱」のときも、意外なことに(?)インターネットが大きく関わっていたようなんである。
「覚えてます? インターネットで加藤さんの支持がワーッと広がったんです」と三反園訓・テレビ朝日コメンテーター。当時の政権与党・自民党の有力国会議員で、総理候補でもあった加藤紘一は、不人気な森喜朗内閣に見切りをつけ、仲間や手下と語らって、野党の内閣不信任案に同調しようとした。
過信して永田町とズレ
三反園によれば、加藤はネット上で支持を広げ、「チャンスだ、オレは人気があるんだ」と思って決起したという。しかし結果を見れば、「ネットの支持者と永田町の間にズレ」があり、加藤は自分の派閥を切り崩されるなどして敗北した。
「なにもしなかったら、加藤さんは総理になっていたと思う。森さんの次はたぶん加藤さんだった。インターネットを含めて乱を起こしたことで、彼はいまも総理になれていない」(三反園)
今も昔も「ネットで人気」は(とりわけ政治的な面では)あまりアテにならないようだ。
文
ボンド柳生