米国務省メア日本部長の沖縄侮蔑発言問題が急展開をみせた。きのう(2011年3月9日)来日したキャンベル国務次官補(メアの上司)が、「政府として」の謝罪を口にしただけでなく、国務省もメアの早期更迭を明らかにした。
メア発言は昨年12月、日本研修に向かう大学生向け講義で出たもので、これを学生たちがメモにまとめ公表した。内容は「日本人は合意形成の文化をゆすりの手段に使う」「沖縄の人々はごまかしとゆすりの名人」といった偏見に満ちたものだった。
沖縄はもちろん、政府首脳からも「不適切だ」「謝罪を求める」など抗議の声があがったのは当然だが、注目は米側がこれまでにない危機感を示していることだ。
キャンベルはワシントンを発つときは「個人的に謝罪」と言っていたが、東京では「政府としてすべての場で謝罪する」になった。追いかけて、メア更迭の動き。夏の定例人事を待たず、「きょうにも」という報道だ。
メアはTBSの電話取材に、「(学生のメモは)全然正確ではありません。そういう言葉を使ったとこはない」と否定したが、学生は「報道は正確。メモも正確だ。日本の文化がゆすりの文化だと聞いたのは忘れられない」と話している。
沖縄退去要求出されたトンデモ総領事
沖縄総領事時代のメアを知る元沖縄県知事の大田昌秀氏のコメントが面白い。
「彼は一方的に考えを押し付けてくるタイプで、過去にも県民を怒らせてしまって(沖縄からの)退去要求を突きつけられている。そんな総領事はそれまでいなかった」
彼とは実りのある話ができなかったという。きのうの名護市議会で出た「占領意識そのものだ」という声とも通ずるようだ。
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)はこの1月、メアと会っていた。
「率直なもの言いの人で、日本が好き、沖縄の人も土地も好きというのが伝わってきたので、この発言とのギャップは大きいなぁ。普天間をめぐる民主党の迷走にイラだっていたのかなとも思う」
日本の立ち位置をきちっとする時期
問題はそうした考えをもった人物が米政府の日本担当責任者だったこと。彼の見解をもとに対日政策がまとめられていたのは確かだから、米側にとっても重大事だ。米側の反応の早さは、こうした危機感を表しているようだ。
司会のみのもんた「アメリカの反応は早いですね」
北川正恭(元三重県知事)「単なる言い間違いの類いではないからそういう対応をとらざるをえな いでしょうね」
三屋裕子(スポーツプロデューサー)「20年も日本にいて、奥様も日本人でしょう。知らない人が言ったのと違って、発言を検証する必要がある」
金井辰樹(東京新聞政治部記者)「傲慢なアメリカにしては、『やばい』と思っている。その危機感が取材していてもわかる。珍しいこと。日本にはチャンスです」
北川は「これを機に、基地の問題と安保をいい意味で見直すことになればいい。日本の立ち位置をきちっとする時期にきている」
みの「この人の考えをもとに対日政策が決まっていたんだとしたら、見過ごせない。 しかし、松本外相とキャンベル氏との最初の会談がこれだというのは、逆にいえばチャンスですね」
米側のこの危機管理能力はさすがだ。日本だったら、まずはうろうろ、決定までに時間がかかり、さらにだれかが余計な発言したりと、散々恥をさらしただろうな。