専業主婦の国民年金届け出漏れの救済策をめぐる混乱できのう(2011年3月8日)、細川厚労相ら三役と官僚らが給与返納などの処分を受けた。救済策は長妻前厚労相が決めたもので、考え方、手続きともにずさんだった。細川は引き継ぎも受けていなかったが、責任だけはとったという変な話だ。
さかのぼって払うか払った分だけ支給
厚生年金加入のサラリーマンの配偶者・専業主婦は、夫の年金でカバーされているが、夫の脱サラや退職後は国民年金に加入しないといけない。加入しないと年金がもらえなくなるのだが、届け出漏れが100万人を超えることを長妻が見つけ、昨年3月に救済策を決めた。これが話の発端だ。
厚労省が出した救済策は、直近の2年分だけ保険料を納入すれば、その前の空白を納入とみなして規定の年金を支給するというもの。すでに手続きをしていた493人については、この1月から支給が始まった。
当然のことながら、これにはきちんと納入していいた人たちから「不公平だ」と批判が出た。 しかも、この措置が担当課長の通達で行われたことがわかって大騒ぎになった。財政負担をともなうのに法改正もしないというずさんさである。
現場からは「不公平だ」という声が早くから上がっていたが、課長の運用メモには「法改正には時間がかかるので、なにとぞご理解ください」とあった。長妻はいま「運用でというので私もそう思った」という。
細川は救済策は打ち切り、代わりに①全期間さかのぼっての納付を認める②納付額に応じて受給額を決める③支払えなくても受給資格は認めるとした。す でに支払った人たちは、将来減額もありうるとしている。これで不公平はなくなったわけだ。