前原外相が突然辞任したあと、きのう(2011年3月7日) の参院予算委で菅首相は「やめる必要はないと慰留したが…」と無念さをにじませたが、逆に「認識が甘い」と突っ込まれる始末。 後任選びも難航しそうだ。
「日米同盟の亀裂」アメリカも危惧
前原への在日女性の献金は年5万円を5年間、おそらくは善意であるだけに後味の悪いものだったが、菅は周辺に「美談といえば美談だから」と楽観していたというのだから、鈍感といわれても仕方あるまい。
前原が会見で述べた「外国の外相からあなたで6人目だといわれた」という話をひいて、司会のみのもんたは、歴代の首相、外相をパネルにしてずらり並べた。
「これだけ代わってるんです」
この11年間に、首相7人、外相は11人だから次は12人目になる。較べる米、中、ロは2人から4人だ。
外交評論家の手嶋龍一「これでは交渉のしようがない。中国は外相の上に党の外交担当がいてもっと長い。西ドイツのゲンシャーは18年間やっていた」
みの「同じ人だと話も早いでしょうね」
手嶋「尖閣も北方領土も普天間も水面下ではつながっていて、日米同盟に亀裂が入ったところをつかれている。アメリカも危惧しているでしょう」
アメリカは前原に期待していたという。となると、後任はだれになるか。
みの「外交日程も詰まっているが、大丈夫?」
手嶋「大丈夫じゃない」
緒方貞子JICA理事長
しかし人がいない。たぶん手嶋の筋書きだろうが、みのはJICA理事長の緒方貞子氏を出した。今年83歳。手嶋は「この方なら、みのさんがここでいくら突っ込んでもまったく動じません」と太鼓判を押すが、現実味は薄い。
みのは「では大物政治家では」と、再び先のパネルに戻るが、出る名前は「河野」「小泉」、はては「大勲位・中曽根さん」なんていう。まさにパロディーだ。
コメンテーターの高木美也子「本当に人がいないんですね」
手嶋「アメリカだと、政党がシンクタンクをもっていて、マニフェストなんてもんじゃない政策を作り上げて行く。人材もアメフットじゃないが後詰めがちゃんといる」
2大政党制、マニフェストという名のバラマキ、政治主導……。いまの民主党のすべては、小沢一郎という1人の頭のなかで作られてきたのだから、人材を育てる能力もないし、底が浅くて当たり前。
当の前原は雑誌のインタビューで、「解散した方が日本のため」「外交は首相外交でないと」なんていっているらしい。これは正しい。首相がしっかりした外交哲学をもっていれば、外相はだれだってつとまる。