<1年前のワイドショー通信簿>連休を地域ブロックごとにずらす「休暇分散化」について、民主党の作業チームは今国会で議員立法で法案成立を目指しているという。全国を東日本(北海道、東北、北関東、中部、北陸)、南関東(1都3県)、西日本(近畿以西)の3ブロックに分けて、10月にそれぞれ5連休を順番に取るという内容だ。休日分散化という珍案が飛び出したのは1年前。国土交通省・観光立国推進本部が、このときは全国を5ブロックに分けて、ゴールデンウィークと秋のシルバーウィークをズラしながら実施するというプランだった。その時の本部長は思いつきをすぐ口にする前原前国交相。ワイドショーからは総スカンを食った。
「みのもんたは『地域に分けてどうするの?』と冷たい反応。本店が開いているのに、支店はお休み? だれがこのアイデアだしたの。ボクからいわせりゃナンセンス」(TBS系「朝ズバッ!」2010年3月4日放送)
「キャスターの小倉が『バッかじゃね~の』と大声をあげた。小倉は『何のために暦があって休日が決まっているのか分からない』と多少感情的に。タレントの眞鍋かをりも『東京と北海道に家族が住んでいる。これでは誰も会えなくなってしまう』と」(フジテレビ系「とくダネ!」2010年3月4日放送)
経済効果があるとかないとか議論されながら、結局、観光関連業界以外はまともに相手にせず立ち消えになったはずが、民主党の一部議員の間ではまだ生きていたというわけだ。
民主党こりずに議員立法
休日を分散すれば、全国展開している大手企業などは社内で休日がずれるのを嫌って「カンパニーカレンダー」を作成するだろう。その会社独自の連休予定表だ。当然、下請け、孫請けはそれに合わせ、一方で親会社以外の取引先は別のカレンダーで休みを取るから、結局、下請け以下は休みは取れないことになってしまう。東京と大阪で証券取引所が開いていたり閉まっていたり、場所によってATMの手数料が違っていたり、ブロックを超えて役所同士が連絡を取ろうとすると、双方がそろうのは10日先だったりなんてことが起こるのはちょっと考えれば分かる。そもそも、国交省が先日打ち出した高速道路の新料金体系は全国一律の休日を前提にしたものだし、その国交省は地方の出先機関が業務をやっているときに、中央だけ休みなんてことで役所として機能するのだろうか。
すでに、1年前のワイドショーレベルでも「ナンセンス」という結論が出ているのに、推進しようとしている民主党議員は何を考えているのだろう。もっとも、グチャグチャ国会ではこんな法案を審議している暇はないだろうが……。(テレビウォッチ編集部)