大学の入試問題を試験場から携帯電話でネットに投稿したとして、19歳の予備校生が逮捕された。容疑は偽計業務妨害だが、むしろ自殺などを防ぐためとされる。本人は「ひとりでやった。合格したかった」と言っているという。
昨年、山形の県立高を出て仙台の予備校に通っていた。同志社大、立教大、早稲田大、京大を受験し、うち早稲田には合格していたが、いずれでもネットの質問掲示板「ヤフー知恵袋」に試験問題を投稿して回答を得ていた。
予備校生は京大では1月の大学入試センター試験での成績が思わしくなかったため、二次試験にあたる今回で挽回するというつもりだったらしい。予備校では決して悪い成績ではなかったというが、京大の数学では6問全部を投稿して「答えを教えて」といっている。そんな程度でなぜ京大を受けたのか。4大学とも、英語の問題で「教えて」といっている。早稲田には合格したが、警察によると、答案の記述はネットの質問に寄せられた解答によく似ていたという。予備校の模擬試験でも同様にネット投稿しており、生来が「教えて」という性向だったのか。どうみても大学にいく資格をも疑いたくなる。
逮捕まで発覚したこと知らなかった?
捜査員が「aicezuki」 のハンドルネームの意味を聞いたところ、そこまで知っていることに驚いていたというが、ニュースもまったく見ていなかったのだろうか。
「朝ズバッ!」は携帯電話の文字読み取り機能を見せていたが、数学だと文字化けもあるらしい。外部に協力者がいれば動画送信で伝えることも可能だという。現役の大学生に文字を打ってもらったところ、200字を3分程度で正確に打ってみせた。京大の数学の試験で逮捕された予備校生は、2時間の間に6問を投稿していて、間隔が6分、7分、5分、5分、11分だった。貴重な試験時間のうち20分近くを使ったことになる。そんなもの受験といえるか。
早稲田は合格
司会のみのもんた「早稲田は合格していたのォ。今後どうなる?」
弁護士の紀藤正樹「偽計業務妨害では計画性が重要になる。事前に準備してたのか、共犯者の可能性とか」
与良正男(毎日新聞社論説副委員長)「便利になったものを犯罪に使ってはいけないという意識が薄れている。証拠が残るということはわかっていただろうに」
紀藤「ネットの怖さを知らない。かえってネットを知らない世代のほうが怖さを知ってる」
吉川美代子(TBS解説委員)「あまりにも身近なもので、フッと柵を越えちゃった」
与良「偏差値だって高いはずなのに、指紋を残せば大騒ぎになるということもわからない。そのギャップですよ」
紀藤によると、「事件は家裁に送られ、多分起訴しない」との見通しだという。