NZ地震サバイバーズ・ギルト―救出されても苦しむ「なぜ私だけ…」

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自責の念からストレス

   新聞に救出された升谷文香さん(19) が、消防士と笑っている写真が載った。升谷さんを救出したポール・ロッドウエルさんだ。隙間は60 センチしかなく、そこに人がすし詰め状態。さらに火災も起こっていた。升谷さんは左足を梁に挟まれていたが、「お願いだから足を切らないで。あなたを信じてる(I trust you)」といったという。

   病院で回復しつつあるが、9時間かけて救出された直後はものも食べられず、水も飲めない、眠れない状態が続いた。3日たったとき、高校の恩師に電話で「周りはみな行方不明なんだ。助かったのは自分だけ」と泣き出したという。サバイバーズ・ギルトといって、なぜ自分だけ助かったのかという自責の念からのストレス症状だ。9・11や福知山線事故の負傷者にもみられた。焦らずゆっくり話をきいてやることだという。

   司会のみのもんた「みんなで食事していて、気がついたら自分だけ助かったという」

   金井辰樹(東京新聞政治部記者)が「9・11のとき、アメリカでサバイバーズ・ギルトの人たちを取材した。なんで私だけ…と涙流していた」

   三屋裕子(スポーツプロデュサー)「心のキズを治すというのは難しい」

   不明の村上恵美さん(19)のホームステイ先には庭にリンゴの木があった。家の男性は「あと3週間で実るよといったら、彼女の滞在も3週間。とても楽しみにしていた」と話す。

   その実りまであと少し。地震発生から今日で10日。 確認された死者は161人になった。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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