日付が変わる与野党攻防の末、2011年度予算案が衆院本会議で可決された。居眠りする菅首相の姿がテレビに大写しされたが、問題は参院での可決・成立のメドが全く立たない予算関連法案の行方、今や話題は菅首相がいつまでもつかに移ってきた。
「6月の会期末まで菅さんが総理をやっているとは思えない」という田崎史郎(元時事通信社解説委員長)がスタジオに生出演し、この話題を取り上げた。
民主党会派を離脱した衆議院議員16人の造反組は全員が本会議の採決を欠席した。田崎は「責任放棄ですから民主党常任幹事会で軽くて党員資格停止、重かったら離党勧告か除名の方に行くでしょうね」という。菅執行部の先は見えているから、そんな処分もいまや怖くないということなのかもしれないが、小沢元代表が本会議で予算案に賛成票を投じていたのはちょっと解せない感じ。
民主にも自民にも「後継候補がいない!」
11年度予算案は参院に送られ野党に否決されても今月30日には自然成立する。問題は26本ある予算関連法案だ。
田崎「20本以上はたぶん成立するが、肝心の赤字国債を発行する特例公債法案や子ども手当法案の成立は難しい。6月まではお金が回るが、夏場以降はお金がなくなるので政府が作った予算の執行ができなくなる。菅政権の責任が問われ、風前の灯になる」
では、灯が消えるのはいつか。田崎が予測したのは「4月の統一地方選のヤマ場は乗り切っても、カネ回りが切れる6月まで菅さんが総理をやっているとは思えない」
解散か退陣か避けられそうにない状況だが、田崎は「新しく総理になる人が解散・総選挙に打って出て、それからようやく野党がフランクに話し合うという見方がある。ただ、新しい総理に誰がなるか、後継が絞り切れない弱さもある」と話す。
国民新党の亀井静香党首が「救国内閣」を提唱しているが、自・公とのパイプもある亀井党首が自ら救国のために総理になってはどうか。