リビアはもはや暴動というより内戦に近い状態にあるらしい。41年にわたって独裁を続けてきたカダフィ大佐が海外に脱出したとか、空軍機がデモ隊を爆撃したとか、死者はすでに300人…など未確認情報が飛び交う。
明治天皇の写真飾ってるカダフィ
チュニジアでの1青年の焼身自殺に端を発したジャスミン革命はベンアリを倒し、 エジプトのムバラクを倒し、イエメン、バーレーン、リビアへ飛んだ。この連鎖はどこまでいくか。
カダフィは1969年、27歳のときにクーデターで政権をとったが、議会も憲法もなしに、ずっと大佐の肩書きのまま国を動かしてきた。80年代にはテロ組織に資金提供したり、テロを実行したり、 原爆開発に手を出したりで、「中東の狂犬」といわれた男。いつも女性の親衛隊にガードされていて、「みんなきれいなんだよね」と司会のみのもんたが余計な口をはさむ。彼に3度会ったという自民党の小池百合子総務会長がビデオで、「民主主義のシンボルとして明治天皇の写真を飾っていた」とか「双六のような絵で、クーデターを企てるとこうなると戒めていた」などと何を言いたいのかわからない話。
しかし、世界第8位の石油をカダフィ一族が握っていること、高い失業率、政治活動禁止などへの国民の不満は高まっていた。現地からは「カダフィは要らない」と叫ぶ民衆の姿があった。これだけは確かないまの情報だ。
放送大学の高橋和夫教授が解説した。とにかく民衆のマグマがたまっていた。モロッコからアラビアまでイラン以外は同じ言葉だから、まずネットが人々の声をつなぎ、ネットができない人はアラブ特有の口コミとテレビで 情報があっという間に拡散した。力で抑圧されていて、1人では何もできないが、みんなが一緒にやればできるとわかったのだという。
みの「あと、どうなるんでしょう?」
高橋は「どこも長い独裁のあとだから、しばらくは不安定な状態が続くだろう」としたうえで、イスラエルとの緩衝になっていたエジプトの変化は注視する必要がある。イランの核問題もあり、どこかで大きな動きにならないとも限らないという。
中東どころじゃない中国
この流れで中国までが登場した。きのう中国13都市でネットでデモ参加の呼びかけがあった。政府は必死になって封じ込め、ネットは封鎖されているが、国民が「一党独裁はおかしい」と公然と言い始めていた。中国問題に詳しいジャーナリスト富坂聰は「不満のガスに火がついたら、中東どころじゃない」という。日本にとってもその方がはるかに重大だが、そこまで突っ込んだ話にはならなかった。