自衛する自治体―職員に重機操作訓練
こうした中で、災害復旧態勢の再構築をすすめている自治体もある。石川県七尾市はこの冬から除雪の入札システムを変更した。入札資格は除雪用重機を保有している業者のみとし、重機を市が直接リースするなど、2億円をかけて建設業者の負担を減らす対策を打ち出した。鳥取県では1台2000万円する災害用重機を140台購入し、そのオペレータとして県職員が訓練を受けている。さらに、三重県松阪市は住民組織が農家などの所有する重機をリストアップ、建設業者だけに頼らない防災態勢を作ろうとしている。
河田教授はこう話す。
「災害対策は様々なシナリオを描いても、その台本通りにいきません。むしろ応用問題。シナリオから学んだことを実際の現場でどう使いこなすのか、これからの災害復旧対策の柱はここにかかっていると思います」
これまで地元建設業界が担ってきた「災害対応力」に変わる復旧態勢がどこまで構築できるのか。残念ながら番組ではその回答が見えなかった。
文・ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2011年2月17日放送「災害対応空白地帯」)