こんな生き方もあるんだ…
この作品の魅力はその感動的なラストだけにとどまらない。脇役たちのちょっとしたシーンに実はたくさんの意味が隠されていたりする。とくに終盤、いままでルーシーに疎まれていた母親が彼女を叱咤する場面は、見ているこっち側まで圧倒される。わずか数十秒のシーンながら、この母の歩んできた生き方がありありと見えてくるのだ。
他にも、カレンの恋人やエリザベスが出会った盲目の少女・ルーシーと養子縁組をする20歳の女性など、ガルシア監督は脇役一人ひとりにもきちんと人生を設定し、いろんな人生のあり方、親子のあり方を私たちに提示してくれている。役者たちもまるで本当に存在する誰かの人生を見ている気にさせてしまうほど、演技の実力を発揮していてすばらしい。
映画は星の数ほどあるが、「こんな生き方もあるんだよ」と教えてくれて、映画館を出てからもじっくりと考えたくなるような、奥行きの深い作品に出合えた時ほど満ち足りた気分になることはない。というわけで、今回は星5つ。女性にはとくにオススメ!
バード
オススメ度:☆☆☆☆☆