ウミをすべて出して――。相撲(協会)についてのコメントでは常套句とも言えるセリフだが、今朝(2011年2月10日)、番組にゲストで来たスポーツジャーナリスト二宮清純は、そのウミのなかに、最近忘れられがちな「相撲賭博」が含まれていると主張した。
二宮によれば、「八百長と相撲賭博はセット」なのであり、そのウラには胴元などをつとめるウラ社会の存在がある。この三者の「悪のトライアングル」にメスを入れて真相を究明しなければ、今後も同じようなことが起こるというのだ。
二宮清純「悪のトライアングル」
たしかに、古今東西の八百長の多くが(非公認)ギャンブルとの結びついて行われてきた――ことは紛れもない事実だ。一方、最近の番組などの八百長報道を見れば、互助的、生活防衛的な面が取り上げられている。また、元若ノ鵬は、先輩から八百長は相撲の伝統だとして、強要されたと番組の取材に語った。そんなことを受けて、「力士もある意味で被害者ではないか」(東ちづる)と少々気の毒がるコメントも聞かれる。
先の野球賭博事件に関連して、相撲賭博もちょこっとハナシが新聞に出たが、相撲協会はそこに踏み込んで調べようなどはとしない。メディアにも掘り下げる機運が見られないことが、二宮には残念に思えるのだという。
文
ボンド柳生