うつ「認知行動療法」再発抑え英国で実績…どんな治療法?

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今後はインターネットでもOK

   うつは完璧主義の人に多い。失敗すると「ダメだ」と全否定になりやすい。しかし、仕事はていねい、気配りもある。「カウンセリングは、そのバランスをとる手助けだ」と大野教授はいう。

   厚労省もこの効果を認めて、昨年から健康保険の対象に加えている。ただ、ほとんど普及していない。大坂の神経科医団体の調査では、認知行動療法をとっている診療所はわずか2.1%だった。理由は2つ。診療報酬が通常療法の半額以下であること。もうひとつは、カウンセリング技術をもつ医師が少ないことだ。ある医大の医師は「大学では教えないからできなくて当たり前」と話す。

   一方、臨床心理士は2万人いるが、民間の資格で医師でないため、診療報酬が出ない。収入が不安定で、年収300万円以下が3割という調査もある。カウンセラーに国家資格を求める声も出ているが、せっかくの担い手を生かすシステムがない。

   大野教授はこう言う。

「医師だけでなく、看護士、臨床心理士などがチームを作ってあたる必要がある。グループ療法、インターネット利用なども考えるべきだ」

   100万人はとてつもない数字だ。現代社会が生んだ病い。認知行動療法は突破口になりそうだ。にしても、この呼び名は何とかならないか。

*NHKクローズアップ現代(2011年2月7日放送「うつは『心』から治せるか 注目される認知行動療法」)
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